小説
Every Little Thing
第 1 話
いつ気づいたのかなんて覚えていない。もし仮に、彼が私のだったとするなら、いつ彼を失いはじめたのかも覚えていない。
真実を明かされてから何年もたったような気もするけど、私が意識裏でうすうす気づいていたことを彼が話してくれてからまだ数ヶ月しか経っていない。
江戸川コナンと工藤新一は同一人物だった。
ついその昨夜、警察に解体させられた謎の組織から私を守るために自分の正体を隠した。納得はできるけど、それでも彼が嘘をついていたことに変わりはない。その事実に葛藤がなかったといえば嘘になるけど、それでも私は彼を許した。
まあ、許したのはすこしたったあとだったけれど。
彼はもう解毒剤の完成を待つだけだ。そして、私もそれを辛抱強く待っている。彼が近くにいると知って安心したところもあるが、彼は恥ずかしがって阿笠博士のところへ移ってしまった。それ以上は何も言ってくれなかったから、私は阿笠博士が解毒剤を研究していると思っていた。そのことを聞いてみても、彼は何も言ってくれなかった。みんなに説明するのは一苦労だから、このことはみんなには秘密にしといてくれって頼まれた。まあ、彼の話も納得のいくものだったから私はそれにうなずいた。それに自分だけが知っている、この秘密を教えてくれるぐらい、私を信用してくれている。そのことがなぜかすこしロマンチックだった。
もちろん、これはコナンの外見のしたに新一を見出す前だった。思い返し、それを見た一番古い記憶は、ある雨の降っていた昼下がり。