小説

初来店♪

恭也が中学か小学校高学年の頃の話になりますが、一応弓華がヒロインです。それと、弓華は誰とも付き合ってません。火影さんと付き合うらしいんだけど……。弓華が海鳴へと来てしばらく経ってからの話です。

「真一郎、こっちでアッテル?」

「ああ」

弓華と真一郎は仲間を誘い翠屋を目指していた。

「弓華さん、真一郎は彼女いますから、あまり近づくと大変ですよ」

「そうですね……前、真一郎さんが死にかけてましたから」

そう、真一郎はお姉さんこと瞳に技をかけられて死にかかったことがある。
それは弓華に校舎を案内してるときの瞳の勘違いからだった。
そのために、真一郎がほかの面々に話しを頼み、しばらく会話できないのは
新しい記憶である……。

「ここだよ~」

ちなみにここにいるメンバーは真一郎、さくら、弓華、小鳥の4人だ。
接点が無いように見えて、いえることは全部真一郎がらみという事だろう。

『いらっしゃいませ~、何名様ですか?』

店員の挨拶といつもの言葉によって案内される4人。
そして、弓華はきょろきょろと周囲を見回している。
と、一人の男の子(といっても、男性という感じもする)に目をとめる。
鋭く見つめる先……そこにいる男の子は後ろを見るとほほえみを浮かべる。
店員独特の笑顔……営業スマイルという奴だ。

「どうかしましたか?」

何事も無く話しかける恭也……中学生の割に落ち着いている。

「弓華さん、どうかしたの?」

「イエ……何でもありません」

そういって首を横に振りながらも恭也の行動に注目している。
ほかの面々はそんな弓華の行動を不思議そうに見ていると……。

「弓華、あの男の子に興味あるの?」

「……ハイ」

そういってしっかりと見ると……今度は小鳥とさくらが少しほほえみを浮かべて。

「ね、ちょっといいかな?」

「はぁ、かまいませんけど、ご注文でしょうか?」

「それもあるけど……ちょっと聞いていい?」

「何でしょうか?」

恭也は不思議そうに聞く……店内はそこそこ込んでいて
学生達であふれている……ちょうど高校生くらいが一番多いといえる。
そして、女学生の間では恭也の事は知られている。
翠屋のウェイターとしても、海鳴中央の学生としても。

「いや、聞きたいのは弓華なんだけど……こっちね」

そういって紹介されたほうを見て、恭也は少しだけ目を細め。
すぐにいつもの表情に戻る……無表情という訳ではないけど、営業の顔に……。

「先に注文とってからでいいですか?」

「あ、はいはい、ごめんね……シュークリームを6つと
 後シナモンクッキーを2皿とオレンジペコ一つ。
 コーヒー一つ、アップルティー一つとダージリンのミルクティを」

「わかりました……先にメニュー下げますね」

恭也は丁寧に受け取っていくと、先に注文を言いに行って戻ってきた。
ほかの面々はなぜに弓華があの男の子を気にするのか聞いていると……

「あの人は……私と同じかそれ以上だから」

弓華が少し照れたように言う。
その様子は恋いをしているようでもあり、何か違う事を望んでるようでもある。
ただ、それを聞いたさくらと小鳥は少し恥ずかしそうにほおを染めている。

「で、そのお話っていうのは?」

「あなたは何者ですか?」

「どういう事でしょうか?」

恭也は不思議そうに聞いている……とぼけてるのだ。
そして、弓華は確信があるからこそ、言っている。
これは根比べに近いものがある。
ただ、すぐにそれを止める人が現れた。

「恭也、どうしたの?」

「いや、何でも無い……かあさん」

「そう? お客様に迷惑をかけたらだめよ」

「わかってる」

翠屋店長の桃子だ……。
そんな二人の様子を唖然と見ている4人……恭也は少しだけ考えると
唇を軽く動かす……誰もが識別できる訳じゃない。
でも、それを目を見開いて驚いてる人がいた。
弓華だ……すぐに頷く。

「でわ、俺は仕事の途中ですので」

「あ、はい」

「わかりました」

「すみません」

「アリガトウ」

そういって恭也はそのまま仕事へと戻るのだった。
そして、4人もその後恭也の事で盛り上がることもなく
そのまま解散となったのだった……。

夜の八束神社……恭也の影があった。
そして、弓華も現れる。

「遅くなりました」

「いえ、時間通りですよ……で、何で俺を見てたんですか?」

「無理しちゃ駄目デス」

弓華がそういって恭也に近づくと、すっと足のあたりをなでる。
恭也の膝が折れ、座り込む形になる。
膝を恭也が押さえている。

「少し歩いてる時に引きずってた」

「うっ」

「痛みだけなら抜けるから、少しだけじっとしてて」

弓華はそういうと針を取り出す。
針治療に使われる針を……そして、恭也の膝のある一点に刺した。

「つぅ」

恭也の顔が苦痛でゆがむ。

「一時的なものだから我慢して」

弓華は笑顔を向けて、恭也を安心させようとする。

「私の正体を見抜いてますよね?」

「ええ」

膝に針を刺して、しばらく休憩途中に話す。
弓華は少し緊張した面持ちで恭也を見ている……。
と、恭也は少しの間空を見上げると

「血塗られた手を持ってるのは俺も同じです……同じ匂いがする。
それでいいじゃないですか……元暗殺者さんですよね?」

「ハイ」

「それでいいですよ……元なら」

「……ありがと」

そういうと弓華は針をすっと抜く。

「入れる時は痛いですけど、抜くときは痛いと感じないんですね」

「でも、完全に膝が治った訳じゃないです。
ただ、痛みを引かせてるだけ」

「でも、ありがとうございます」

弓華は針を自分の服の中に入れる。
この中には一応の武具も入れている……そう暗器を……。
もしおそわれたら……そう考えてしまうのだ。
逆恨みやいろいろとあるから。
一応香港警防隊の人から制限は受けてるが。

「そろそろ帰りますね……俺もいきなりでしたので」

「イエ、私は何かしたかったんですよ。
今まで奪うことしかしなかったから、できる事をと」

「そうですか……いいことだと思いますよ」

弓華に小さなほほえみを返す。
恭也の営業スマイルとは違うほほえみ。
初めて弓華は恭也を見た気がした……今までは仮面を付けていたようで。
そして、弓華も立ち上がり歩き出そうとすると
恭也を呼び止めた。

「気づいてますか?」

「ええ、まぁ」

周囲に囲まれた気配……そして、さっと現れる人。
3人の男たちだ……ただ、仮面をしていて、顔などは見えない。

「弓華と高町、いや不破恭也だな」

声は合成された声が出てくる。
そして、沈黙をしながらも武器をさっと持ち上げる。
3人とも片逆手二刀流の片方が刀の様だ。
それぞれに対応した持ち方だ。
沈黙が否定でないとわかると、すっと剣をあげて貫きにかかる。
突貫と言えば一番わかりやすいが……。
それでも、力強い一突き。
弓華と恭也は後ろへとバックステップで避ける。
追撃するかのように腕を精一杯まで伸ばすと恭也と弓華の腕が動く。
懐から小刀を出し、相手の手首を斬る。

「ぐああぁぁぁぁ~~~~~~~~~!!!」

「何者だ?」

「弓華の居た、組織の人間だ……貴様らを許すわけにはいかなくなった。
極刑に処す」

そして、3人目の男が構える。
先ほどと同じ構えだが、恭也と弓華は横へと飛ぶ。
逃げるのでは無く、立ち向かう。
だが、その上で……相手の弱点をはかる。
片逆手二刀流……元は一対多数を目的とした剣の流派。
ただ、普段は誰も身につけず、それは他の流派との混合を意味する。

「先ほどの二人と思うなよ」

すっと弓華へと切っ先を向けるとそのままつっこんでいく。
早さは先ほどの男二人とも全く違う。
力強さ、相手を威圧するプレッシャーともに。

「くぅ」

弓華は小刀がすぐに壊れたのを確認して、道具を出そうとするが
なかなか隙が無く、しかも、相手との力の差がある。

「おまえが帰ってこないから……心配してみれば
ふぬけになったものだな」

「関係無い」

「ああ、そうだな」

切っ先が弓華の体をとらえようとした瞬間
相手はすぐに横へと避ける。
そこに恭也が小太刀を構えて立っていた。

「間に合いましたね」

「助かりました」

すっと座る……弓華。
恭也は弓華に目をやる……相手に注意しつつも……。
大きいけがは無いが、小さな斬られた傷などができている。
擦過傷などもある。

「女性に手を挙げるのは感心しませんが」

「不破恭也も殺せと仰せつかっている……死ね」

そして、男が突進していく。
力強き突貫……相手を貫かんと剣がさえ渡り月光により光る。
恭也は相手の突きをくぐり抜けると。

「小太刀二刀流 奥義之六 薙旋」

厳かにつぶやかれた一言。
相手はそのまま弓華に到達する前におねんねという状態となった。
死んでは居ない……恭也がとっさに小太刀のみねで叩いたのだ。
一瞬にして、その戦闘力は賞賛に値するものだ。
そして、弓華も驚いていた。

「強い」

「それなりに鍛えてますから」

「でも、その若さで……私が戦ったら勝てない」

「正面からは無理でも横や上からなら勝てるかもしれないでしょ」

「でも、私は勝ちたいとも思わない……迷惑をおかけしました」

そういって恭也にほほえみを浮かべる弓華。
深夜のデートというには少し寂しいところだが月が明るく差し込んでいる。
男達はうめきながら転げている。

「どうしましょうか? この人たち」

「火影に任せる」

「はい?」

そういうと、弓華の後ろから男が現れる。
恭也がすぐに驚いた顔となった……それは、相手の顔に見覚えがあるからでなく。
単純に力量の差がわかるからだろう。

「驚いてるね……別に驚かなくても大丈夫。
 俺は忍者でね、気配を消すのはなれてるんだ」

そういって、光の中へと入っていくと黒ずくめの男だ。
先ほどの男達と変わらない。
眼光にある光が少し怖いが……。

「こいつらは俺らに任せてね……香港警防隊へと連れて行くから」

「わかりました……では俺はこれで」

「俺の事は聞かないのかい?」

「すぐにわかりましたから……火影さん」

「およ!? 俺って有名?」

「父さんが教えてくれました……気配を消したりするのがうまくて
父さんでもとらえられなかった忍者って」

「そっか……士郎さんの事は」

「言わないでいいです」

「わかった」

火影は弓華を見て、軽くほほえみを浮かべる。
恭也は少しうつむくと、二人を見るために顔を上げる。

「一応連絡はしてあるから大丈夫だ」

「はぁ」

「弓華、また翠屋にいきたいかい?」

「恭也の膝を治せるなら治したい」

なぜか弓華は燃えていた……それは、初めて自分が人の役に立ってると実感したから。
高校に入学して誰かの役に立つことがあっても。
それは高校生の権限としてだ……。
それとは違い、自分の培ってきた能力が役に立ったのはうれしかったのだろう。
暗殺だけで無く、人を助ける働きのある事。

「また、ここにいらしてください……。
俺はここで夜中に鍛錬してますから」

「そうかい? なら今度遠慮無くくるよ」

「はい」

「それと、弓華の事任せるよ」

「どういう意味でですか?」

「秘密だ」

火影はそういうと恭也を優しい目で見る。
そして、弓華も恭也を見ていた。
恭也は照れてそっぽを向くと……

「でわ、俺はこれで」

「あ、恭也……こちらへ」

「はぁ」

恭也は疑いも無く近寄る。
そして、ほおを手で挟まれるとすっと唇にぬくもりを感じた。
キスをしている……火影は「ほぅ」と言いながらあごをかいてる。
弓華はすっと離れると

「ありがと」

そういって笑顔を向ける。
本当の笑顔……それこそがうれしいと思われる事だった。
恭也はぽか~んとして、そのままふらふらと歩いていく。

「またね」

「あ、はぁ」

そして、その日から恭也が弓華に翻弄される日が来るのだった。それはまた違う話……。

微妙に弓華の性格が……違うな
シオン「って、気づいてたら直そうよ」
ん~少し面倒だなぁって
ゆうひ「殴るよ」
殴ってから言うな……音無かったけど、空間曲げただろう?
シオン「てへっ」
照れるな……全く
ゆうひ「でも、どうしてそんな風に書けたの……」
ん、なんかさ、大変だろうなぁって
シオン「結局、この後弓華と恭也はどうなるの?」
秘密~
ゆうひ「何で?」
この後、どう考えても修羅場が完成するべさ
シオン「どうして?」
だって、3の時代になったときには弓華にはライバルたくさんだ
シオン「否定できないね」
ゆうひ「本当だ……難しいね~」
全くだ
シオン「でわ、またね~」
ゆうひ「ほなね~」
でわ、またです~(^^)ノシ