小説

RINGS

第 8 話

アキトは自分の部屋へ戻ったが、そこにはリョーコはいなかった。女子の生活区域へと赴く。リョーコ、イズミ、ヒカルと皆そろっていた。リョーコはアキトが入ってくるのに気付くと、緊張気味に微笑む。アキトはまっすぐに彼女へと行き、抱きしめた。

「リョーコ、渡すものがあるんだ」

彼女に指輪を手渡す。

「綺麗だよ、アキト。ところで、いったい何処でこんなもの手に入れたんだ?」

彼女の頬が紅潮しているのが分かる。

「セイヤさんに手伝ってもらって、エステのスペア・パーツから造ったんだ。ロマンチックじゃないかもしれないけど、価値は想いで決まるものだろう」

「最高だよ、アキト」

本当に本当なんだ、リョーコは思う。昨日のことは夢ではなかったのだと。

「それで、もう分かっちゃったかもしれないけど、一応イズミさんとヒカルちゃんに報告。俺とリョーコは正式に婚約したんだ。今日の13時、食堂で細やかな婚約パーティをすることになったんで、来てもらえると嬉しいな」

ヒカルはそれを聞いて満面の笑顔になった。

「リョーコ、いったいどうやったの?あのリョーコが…。気絶するまで殴ってバーチャルルームにでも引きずり込んだの?」

イズミはヒカルの冗談でクスクスと笑っていた。

「ま、なんにしても、艦長はご機嫌斜めでしょうね」