小説

RINGS

第 7 話

翌朝、アキトはリョーコよりも早く起きた。静かに眠るリョーコは綺麗だ。彼女が心配しないように書置きを残しておく。

『ちょっと整理しなきゃいけないことがあるから、ごめんね。また後で。アキト』

まずはセイヤのところへと向かう。なんとかしてリョーコへの婚約指輪の製作を頼み込んだ。金やダイヤモンドはなかったが、セイヤがエステのスペアパーツの貯蔵から見つけ出したイリジウム合金と工業用の人工サファイアを使うことにした。

次はホウメイのところへと向かう。リョーコには内緒の婚約パーティの準備を頼んだ。ユリカのためのものではないと知ったホウメイは内心少し驚いたようだ。

ユリカの部屋へと赴く。部屋に着いたとき、彼女はまだ起きたばかりだった。

「何、アキト?」

「決めた、ユリカ」

ユリカの心は、アキトの言葉に歓喜した。自分に決めてくれたのだと。

「リョーコと結婚することに決めた。今日、13時に婚約パーティを開くことになったんだ。来てくれると嬉しい」

ユリカの顔から血の気が失われる。彼女は無言だった。

アキトにできることは何もなかった。回れ右をして去る。

ジュンをコミュニケで呼び出す。

「ユリカにつらい思いをさせてしまった。アイツと会って慰めてくれないか」

返事を聞かずに通信を切る。

セイヤのところへ戻って指輪のデザインを続ける。セイヤの工学技術と模型製作技術のおかげで、一風変わった綺麗な指輪ができた。