小説

RINGS

第 4 話

何を、考えていたんだろう。自分のところにやってきたアキトを、ただユリカの腕の中へと罪悪感と共に追放しただけだ。

本当にアキトがユリカの元へいってしまったら、どうしていいか分からなくなる。頭に血が上っていた。アキトは少なくとも自分を訪れるぐらいには自分に気がある、と証明してくれたではないか。失敗した。

考えてみれば、パイロットとコックでもやっていける。地球と月の間のラグランジュ・コロニー・宇宙ステーションにでも配属を希望して、アキトはそこで食堂か何かを運営できる。自分はまだパイロットを続けられるし、アキトはコックになれる。こういうやり方だってあるんだ。何故、言い合っているうちに思い浮かばなかったのか。馬鹿だ、自分は。

体中の力を抜く。もたれていた壁から背がずれ落ち、ベットにおさまる。