小説
RINGS
第 24 話
三人は次の日、シャトルに乗ってL3ステーションへ向かった。着いてすぐにドック付近の安いホテルにチェックインした。
「ステーションの司令官に会ってくる、アキト。夕飯時までは戻らないと思うから、お前とルリでここらあたりの不動産の物件を調べておいてくれ」
リョーコはアキトにキスするために少しだけ止まり、ドアの外へと走り出て行った。
「じゃあ、ルリちゃん、町のほうで何処か食べるところを探しにいこう」
商店街は少し寂れていた。空きが目立っていた。普通の近代的な建物が広いエリアに建っている。少しでも開けた感じを与えるために天井には青い空と白い雲が映されていた。
「サツキミドリ2号の破壊後、寂れたみたいだね」
「アキトさん、こうして歩き回るよりステーションのデータベースで検索したほうが早くないですか?」
「まあ、そうなんだけどね。長い間シャトルの中だったから足を伸ばしたいのと、こうしたほうが土地鑑ができるから。周りがいい、レストランに使えるようなところを探さないとね」
可能性があるところはすぐに見つかった。閉まったカフェで、窓にリースのサインが掛かっていた。店の上には居住スペースになっているらしかった。
「あそこの持ち主に連絡して、中を見て回れるか聞いてみよう」
アキトはサインにあった番号に掛けた。代理人に五分で会えることになった。
厨房はモダンな感じだった。二階の居住スペースは家具つきで、大き目の寝室が三部屋あった。
「以前は家族が運営していたんですよ。子供もいて、皆で二階に住んでいました」
アキトはリースの額を聞いて、思わず息をのんだ。
「妻と相談して、明日連絡します」
アキトとルリはホテルへ歩いて帰った。
「いい感じだったな。ルリちゃんのためのスペースも結構あったし」
ドックはたくさんのシャトル到着で忙しそうだった。
「戦争が終わって、いっぱい人が戻ってきてるみたいですね。今のうちにリースしたほうがいいと思いますよ、アキトさん」
アキトとルリは夕食時にリョーコにカフェのことを話した。
「ちょっと高いけど俺がなんとかするよ、アキト。ステーションの指令の言うことが本当ならこれから人がいっぱい来る。遅らすのはあまりよくなさそうだ。お前らがいいなら、明日の昼そこで待ち合わせてOKできるぞ」
「それだけの金どこにあったんだ、リョーコ?」
「親父が少し金を残してくれたんだ。それにナデシコに乗ってた間の給料、使う機会があまりなかったからな。お前も銀行の預金残高見てみろよ。おどろくぜ」
次の日。リョーコはカフェの上にある居住スペースがいたく気に入った。明るく、風通しもいい。まあ、宇宙ステーション内の建物にしては、だが。部屋も広く、三人で暮らしても余裕がありそうだ。
「いいぜ、アキト」
契約書にサインし、アクセスカードを引き渡してくれた代理人に金を送信する。
「仕事に戻らなきゃいけないから、ホテルから荷物を持ってきてくれないか、アキト」
「ああ、チェックアウトも済ませておくから、今夜はこっちに帰ってきて」