小説

RINGS

第 23 話

セイヤとアキトは五分早く到着した。もちろん、ちゃんと指輪も忘れずに持ってきていた。リョーコは時間ぴったりに来るんだろうな、などとアキトは考えていた。

リョーコはアキトの期待を上回っていた。

到着したリョーコに思わず息が漏れた。ドレス姿は初めてだった。本当に綺麗だった。メグミやユリカなど、目に入らないぐらいに。長いこと一緒にパイロットをしていて、何故気がつかなかったのだろう。

ヒカルとイズミも結構綺麗だった。髪とよく合う青いガウンを着たルリは掛け値なしに華麗だった。

リョーコは借り物のスーツを着たアキトを見て微笑んだ。結構いいじゃねぇか、と考えながら。

式をやり、誓いと指輪を交換した。キスはされ、結婚届は提出された。禁止とサインが掛けられていたにも拘らず、ヒカルはカップルの上に米を撒いていた。カメラマンを呼ぶのを忘れていたが、イズミが持ってきていたカメラで写真を取りまくっていた。

レストランまでは腕を組んで歩いた。招待客がちょうど到着し始めたところだった。ユリカとジュンはすでに来ていた。

来たのか。アキトは思った。

ほとんどの旧ナデシコクルーが来てくれた。ユリカを除いた皆には楽しい一時だった。近いうちはこれが最後の集まりになる。音楽、ダンス、食べ物、ワインなどがあった。

セイヤの話は面白かった。アキトが女の子たちに食べ物を持って追いかけまわされたことを語り、リョーコが持ち前のスピードとスタミナで今日、やっとアキトを捕まえたのだと。あのことがどれだけ面白かったかをやっと理解できるようになったユリカからも笑いをもらった。

パーティも終盤に近づき、リョーコがブーケを投げた。女子らしくない格闘技をメグミ相手につかったエリナ・ウォンが勝利した。

エリナは大き目の封筒をリョーコとアキトに差し出した。

「アカツキからの結婚祝いよ。知ってのとおりの事情で来れなかったけれど、御両人を祝福する、とね」

リョーコは封筒を破り開けた。リョーコ、アキト、ルリのためにパスポートとビザを三セット。リョーコのL3宇宙ステーションのエステバリス隊隊長への転任のことが書かれた、ネルガル重工からの正式な手紙。そして手書きのメモ。

『アニメオタクには気をつけておけよ、アカツキ』

リョーコはそれを読み、笑った。

「テンカワ・リョーコ、思ったよりも早く新しい生活を始められそうだな」

アキトはまたリョーコにキスをした。