小説
RINGS
第 2 話
ユリカは、ナデシコの艦体を遺跡と共に未知なる時空へと跳ばした。遺跡を地球連合、木連、ネルガルを含めた誰の手にも渡さないため。
ナデシコのブリッジ部は現在、宇宙軍の艦に引かれていた。全クルーをブリッジ部だけに詰め込もうとしたら物凄く窮屈になるが、必要のないクルーは宇宙軍のフリゲート艦に移されたので少しはマシだった。それでも、アキトの階級を考えれば一人か二人と部屋を分けることになるのだか、アキトの部屋のドアが開かない状況だったので部屋割りから外されたのだ。
緊急システムが突然増えた負荷のために不安定になっていた。ウリバタケ目下整備員全員が生命維持システムと公共のシステムを維持するために、全力を尽くしていた。
クルーの士気は全体的に低く、気も短くなっていた。将来への暗い不安が、重く肩にのしかかる。戦争終止が宣言され、一応戦闘禁止がでているが、それも気休めにしかならない。
ナデシコを違法に奪ったのだ。遺跡を跳ばしたことを地球連合とネルガルは簡単には容認してくれないだろう。地球に戻れば、多分、何らかの刑罰を受けることになる。最低でも監視されながら生きていくことになる。もし、この戦争の裏を知っていることがばれたら、それぐらいでは済まされないだろう。