小説

RINGS

第 16 話

幸い、まだ部屋は空きがあり、望むのならと仕事も提供してもらえた。

アキトはすぐにコックに戻った。まるで、今までずっとコックをやってきたかのように。リョーコはウェイトレスとしていろいろと問題を起こしながらもがんばっていた。殺すのだけは我慢できたようだが、それでも粗野なお客の数人は恐怖に引きつった表情で去っていった。食堂を閉め後片付けが終わり、二人は宛がわれた部屋へと戻った。

「ごめん、リョーコちゃんにウェイトレスさせちゃって。嫌だったら続けなくてもいいから。部屋代は安いし、ご飯はただだから今はあまりお金がいるわけでもないんだしさ」

「いや、俺のほうこそごめん。続けていけそうにないよ。いつか客を殺してしまいかねない」

「じゃあ、リョーコは明日何をする?」

「皿洗いでもやるよ。あんな客を接待するよりは遥かにましだ」

「エステバリス隊隊長から皿洗い、か…ごめん、リョーコ」

「一時的なものだよ、アキト。気にしてないさ、本当に。まあ、お前と一緒に厨房に立てるしな」

「まあ、明日は昼からで朝は休みもらってるから、ヒカルちゃんとイズミさんにでも会いに行く?あの二人は今何してるんだ?」

「ヒカルは漫画家になるっていってたな。イズミはどっかのナイトクラブを買い取るとか。そこで芸をするらしい」

「芸っていうとアレか…。ああ、ところでリョーコ、式はどうする?まだみんなに連絡が取れてるうちにしたほうがいいと思うんだけど」

「そうだな、アキト。式は別にどこでもいいよ。ブライズメイドはあの二人になってもらって、披露宴はこの食堂でもいいよ。お前の付き添い人は誰か決めてるのか?」

「あまり男友達っていないんだよな、俺。ジュンやアカツキはだめだから、セイヤさんにたのむか」

「じゃあ今週の土曜でどうだ?明日の朝、買い物や準備できるだろ?」

その後、いろいろ話をして疲れた後、二人は一緒のベットで寄り添うようにして眠った。