小説
LONELINESS
第 5 話
アキトはネルガルのドックの門を、まるで何かに取り付かれたかのような速さでペダルをこぎながら突破した。強いデジャ・ヴを感じたが、やはりどこかが違った。今回は、間抜けにユリカのトランクにはぶつからなかった。
ナデシコは、そこにドックされていなかった。
これを見て、アキトにも少しずつ分かってきた。何らかの原因で時間を遡ったジャンプをしてしまった。多分、遺跡が相転移砲のせいで生じた空間の乱れを計算に入れなかったのだろう。イネスさんなら喜んで説明するんだろうけど、ここにはいなかった。
ナデシコはもう発進した後だった。この時代のアキトはそれに乗っていたのだろうか?しかし、後を追ってきたジープいっぱいのネルガルの警備員に、その思考はすぐに打ち切られた。