小説
LONELINESS
第 41 話
リョーコはジャンプに備えるために少し体を固めた。アキトとリョーコは、イネスが安全のためにと主張したスーツを着ていた。リョーコの腕はアキトを抱いていた。十分な肌の密着がスーツ越しでは得られないからだ。イネスは必要ではないといったが、成功の確率を左右するとはいっていた。
ここに残ることも、リョーコは考慮した。ユリカと再び会わないための手段に、自殺さえも含んだ。
アキトとは、これで終わり。体ではアキトを抱きながら、心では悲しい想いを抱いていた。自殺さえ考えたが温もりを知ってしまった今、人を殺すことに悩んでいた時のような特攻はもうできない。
愛を感じた。それが『本当』の愛だとは違っていたことも、知っていた。アキトとの間に存在した愛は、仮初のもの。
この要素に一人残ることは、耐えられなかった。本当は、アキトとともに元の世界に戻り運命に身を任せるしか、選択はなかった。