小説

LONELINESS

第 39 話

イネスの記憶が戻った今、元の世界に戻れる可能性が再び浮上した。アキトはできるだけリョーコを労わったが、リョーコは借り物の時間を過ごしているようにしか思えなかった。二人とも『ユ』の名前は、絶対に口に出さなかった。

戻れるかもしれないし、戻れないのかもしれない。還れるかもしれないし、還れないかもしれない。そんな不安感が二人を包んでいた。