小説
LONELINESS
第 36 話
朝食をとったあと、二人は食物を探しに車に乗ってコロニー跡へ行った。
荒れ果てた果樹園を見つけ、立ち寄った。灌漑システムに頼っていたらしい木々は全て死んでいた。
それでも、二人は果樹園の中を手を繋ぎながら歩く。
リョーコは実に数年ぶりに幸せを噛み締めていた。こんなに幸せを感じたのは、子供のとき以来かもしれない。
ユリカの喪失はアキトの心を痛ませたが、リョーコへの愛がその痛みを少し和らげた。
「おい、あそこ!」
リョーコが叫んだ。果樹園の隅、壁のそばに一本だけ実っている蜜柑の木が立っていた。
二人は実っている蜜柑を全て車に詰め込み、シェルターへと戻った。