小説

LONELINESS

第 3 話

気が付いた途端、こける途中だった。もう少しでラーメンが入った鍋をひっくり返しそうになりながら、床に沈んだ。

「マスター、テンカワがまたパニックになっています!」

そばにいたウエイトレスが報告する。

「どこにいるんだ、俺は?」

ここはあのラーメン屋だった。俺は何でここにジャンプしたんだ?

「俺は何をしているんだろう?」

「少なくとも、ラーメンを作っているようには見えないな」

顔を上げた正面にサイゾウさんが怒って立っていた。

「今回ばかりは許せない!お前はクビだ、テンカワ。もう一チャンスなんかやるんじゃなかったよ、見ろ、客を怖がらせやがって」

「けど、俺の料理を気に入ってるっていったじゃありませんか。コックにしてくれたじゃないですか!」

「お前の夢の中でな。お前はまだここに数ヶ月間しかいないし、お前が麺を茹でられるのは知っているが、お前はまだコックの域じゃない。今までの給料払ったら、お前の自転車に乗って出て行け」

「前にこんなことありませんでしたっけ?」

「いや、ちょっと違ったな。前はもう一回チャンスをやると言ったが、今回は本気だ」

俺の自転車?こんな所になんであるんだ?ナデシコに乗っているはずだ、こんな所に在るはずがない。変だ、何かが変だ。リョーコちゃんやヒカルちゃん、イズミさんはどこに行ったんだ?あいつらを探して、またナデシコに乗らなくちゃ。

アキトは分けの分からない展開に内心困惑しながら、ウオーターフロントのナデシコのドックへ急いだ。