小説
LONELINESS
第 28 話
アカツキとエリナが一段上の安全柵の向こうから実験を眺めている。リョーコも一緒に眺めていた。
数人の科学者たちが、周りでいろいろといろんな物を弄繰り回している。細いワイヤーに均等の間隔で支えられたチューリップ・クリスタルが、少し幻想的な雰囲気を作り出す。
科学者たちが引いていくのと同時に、エリナから声がかかった。
「テンカワ君、準備できたわ。観覧デッキをイメージして、そこへ跳んでみて」
本当の目的地、ユートピアコロニーを脳裏に思い浮かべる。アキトのイメージと同時に、CCが淡い蒼に輝きだす。段々と輝きは強くなっていき、アキト自身も白く輝きだす。ナノマシンの奔流が、虹色に光りだす。
「リョーコちゃん、今だ!」
アキトの合図で、リョーコは柵をジャンプして飛び越した。CCを支えているワイヤーを潜り抜けて、アキトの体に腕を回す。抱きつくように、背中から密着する。頬がアキトの首筋にあたる。
最後に一際強く輝き、二人は消えた。
「…検索しても、施設内にはいないとでたわ」
諦めたような、暗い表情でエリナがアカツキに報告する。
「すばらしいな、エリナ。被験者と随一のパイロットを失くしたよ」
アカツキの皮肉に、エリナの表情がより沈んだ。