小説
LONELINESS
第 26 話
アキトも自分の部屋へと帰り、シャワーを浴びた。食堂で誰かに会うのを避けるために、自動販売機でかったインスタントラーメンを自室で食べた。
食べてる途中に目に入ったゲキガンガーのディスクを手に取る。再生するためにプレーヤーへ向かって一歩踏み出すが、考え直してまた椅子に座り込んだ。ゲキガンガーはガイのことを思い出させるだけでなく、白鳥のことも思い出させた。ゲキガンガーに対する木連の歪んだ解釈が、アキトの解釈にも影響を与えていた。もう、見る気にはなれなかった。
二段ベットの下段にもぐりこむ。上段の裏をぼんやりと見上げながら、リョーコのことを思い浮かべる。彼女が自分を好きだということを知っている、そう言って公にすれば良いのか?元の世界に戻れなかったら、どうなる?
戻れないとしても、ユリカと一緒になる気はなかった。リョーコのことはガイと同じように友達として、戦友として好きだった。もしかしたらそれより上、メグミに感じた感情を上回っていることは確かだ。
リョーコは自分を受け入れてくれるだろうか?元の世界に戻れなくなって、こっちで一緒になれたら幸せになれるだろうか?『本当のリョーコ』をこれだけ見れたのは、初めてだった。前は、がさつでボーイッシュな殻に包まれていて見えなかったものが、今は見える。
もっと前に気持ちを打ち明けて欲しかったと思う。けど、今になって振り返ってみると、何回かそういうことがあったように思う。クルスクでの行軍でわざわざ料理を運んできたときなどが、思い浮かぶ。結局そのときはアカツキに邪魔されたけど。自分がユリカやメグミに追われて、リョーコに気づく余裕がなかったのも事実だ。
結局、考えてでた結論は『待つ』だった。今のところはリョーコに優しくすることしかできない。まだあっちのユリカのことは愛しているし、あっちに戻るのを諦める気もない。