小説

LONELINESS

第 25 話

リョーコは楽しんでいた。この程度ならアキトと触れ合うことも苦痛にはならない。今は20対8でリョーコが勝っていた。

「テンカワ、情けないと思わないのか?女にここまでやられるなんてよ」

膝に手をつきながら荒い息をついているアキトを尻目に、のんびりとボールをドリブルしてシュートした。

アキトも手加減しているわけではなかった。リョーコのシュートが外れるのを見て、リバウンドを取ろうとネット下へと走る。二人とも同じ瞬間にボールを手に取り、自分のものとするべく、奪い合う。

アキトと目が合い、リョーコは目が離せなくなる。情熱が目を通して交換される。アキトに自分の想いがもう知れていることを、意識する。自分に対してでも、ここまで認めたことはなかった。

最終的にボールを奪取したのはリョーコだった。続けざまにシュートを放ち、今度はリングを通った。それと同時にブザーが試合の終わりを告げ、仮想空間から現実へと戻される。

「22対8」

リョーコが言う。

「シャワー浴びてくるよ。今夜は早めに寝ることにする。また、明日な」

「試合、ありがとう、リョーコちゃん。楽しかったよ」

「俺も楽しめたよ」

リョーコは回れ右をして、急ぎ気味で部屋をあとにした。